もうすぐ父の日ですね。

みなさんはそろそろ家族が何をプレゼントしてくれるのか、ソワソワ期待に胸を膨らませておられることでしょう。  

わたくしもね、過去10数年に渡って、何かしら父の日ギフトを送りつけてきました。お返しはマンションの頭金がいいなあ〜、と期待しながら。まだ頭金は出して貰えていませんが。

なお、贈ってきたプレゼントは基本的に、酒・肉・魚、をローテーション。うち、2回ほど腕時計を贈ったこともあります。

ところでわたくし、昨日、みうらじゅん著「親孝行プレイ」(角川文庫)を読み返していました。
そして、突如として閃いたのです。みなさんに、「父の日ギフトに最適な腕時計」をお伝えせねばならぬ、と。
ところで、せねばならぬ、はセネガルに似ています。おっと、これはお伝えする必要なかったかもしれない。


1. 父の日ギフトに最適な腕時計選びのポイントとは

みなさんは、父親に腕時計をプレゼントするに当たってどんな要素を思い浮かべますか? きっと、以下のような感じでしょう。
  • 軽い…年老いた父親の枯れ木のような腕にズッシリくる腕時計は酷だよ
  • シンプル…年老いた父親には派手な腕時計は似合わないよ
  • ブランドよりも信頼の日本製ムーブメント…年老いた父親には長年磨き上げた審美眼が備わっているので目先のブランドに惑わされることはないのだよ
誤解を恐れずに申し上げます。これらは全て間違いであります。

まずは、僕の失敗談を紹介させてください。


2. 僕の失敗

「あの時計どこの?」 

2012年か2013年のことだったように記憶しています。わたくしは、父親にツェッペリンのクオーツクロノグラフを贈りました。

今ではだいぶ人口に膾炙した感のあるツェッペリン。ですが、当時はそうでもなかった。
僕はたまたま日本橋の丸善で見かけて、値段も手頃だしおしゃれに敏感な若者に人気のクラシカルフェイスだから良かろうと判断。ネットで買って父の日ギフトとして送りつけたのでした。

そして1年近く経った頃、父親に会ったところ上記の質問を受けた、というわけです。

僕は、名門・丸善でも取り扱っている絶賛売り出し中の時計メーカーである、ドイツの技術は世界一ィィで有名なドイツメーカーである、昨今のおしゃれに敏感な若者の間で人気なのである、と説明しました。

しかしながら、父親の反応はしごく淡白。フーンだかハーンだか、すごく淡白。そして、僕に言葉を寄越したわけです。

「シチズンの電波時計が時間狂うようになってん。合わせ方わかる?」

で、僕にエクシードの電波ソーラーを手渡してきた。確かに時間狂っていた。ネットで取扱説明書を探し、強制受信の操作をして、父親に返しました。  

僕は、思いました。アンタが身に付けるべきは時間がズレたシチズンのエクシードより愛すべき息子がプレゼントしたツェッペリンでしょうが!、と。使わないなら返して欲しい!、と。そんなことよりマンションの頭金出してよ、とも。おっといけない。本音が漏れてしまいました。

結局、父親は一度も僕がプレゼントしたツェッペリンを使っていない。さる信頼のおける筋からの情報なので、ホントにそうなんでしょう。

そして分かってしまった。僕らがいくら言葉を尽くしたとしても、分かりやすいブランド名の前には無力なのです。 

ということで、僕が上記の苦い経験を踏まえてたどり着いた結論は、以下でありました。父の日ギフトの腕時計に必要な条件、それは、、、
  • 分かりやすいブランドものであること。
これです。
もちろん、腕時計が軽いに越したことないでしょう。シンプルも大いに結構。しかしながら、分かりやすいブランドものであること、これは絶対なのであります。


3. 父の日ギフトに最適な腕時計とは

と、父の日ギフトに必要な条件にたどり着いたわたくし。

が、じゃあ具体的に何買えば間違いないと言えるんだ、みなさんに胸を張っておすすめできるんだ、とね、頭を抱えていた次第。

そんな折、昨日再読した本・みうらじゅん著「親孝行プレイ」に答えを見つけてしまったのです。

同書の中で、みうらじゅん氏は力強く述べておられます。
「年を取ったことを、父親に実感させるな」ということだ。プレイのひとつひとつは、父親にはいつまでも若い気分でいてもらうためのものでなくてはならない、というのが絶対条件である。
「お父さんはまだまだ若い。これくらい大丈夫。きっとまだモテるよ」というメッセージが込められたものでなければならないのだ。
と。

そして登場するキーワードは、2つ。「ヴェルサーチ」と、「金のブレスレット」。

ということで、もう答えは出ていました。父の日ギフトに最適な腕時計は、こちら。

(1) BLACK PALAZZO EMPIRE WATCH

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ヴェルサーチさんの出している腕時計も色々ありますが、僕がおすすめするのは中央にメドゥーサヘッドの鎮座するこちら。

一見、どこから長短針が出ているのか、不思議ですよね。

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なんとメドゥーサヘッド、風防の上にちょこんと載ってる。マジか。

メドゥーサと言えば英雄ペルセウスに退治されたギリシャ神話の怪物。見るものを石化させる力があります。
そう、メドゥーサヘッドを贈る行為には、あの輝かしく楽しかった時は僕らの中で石化したかのように今も生き生きとしているよ、という意味があるのです。や、嘘ですけど。


(2) TWO TONED PALAZZO EMPIRE WATCH

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こちらの、ゴールドのモデルなんてまあ。どストライクでしょ。みうらじゅん氏の監修を受けて製作されたんじゃないのん。

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うーん、ワイルドだなあ!写真右上の↖︎↗︎↙︎↘︎が腕に刻んだタトゥーに見えますもんね。

いやー、僕の個人的な嗜好で恐縮なんですけど、正直に申し上げて、この辺は一体全体誰が買うんだろうと不思議に思っていました。
が、いまや疑問は全て氷解。これらは、父の日ギフトのための時計なのである。