わたくしごとながら、過去4年近く会社のデスクに置きっぱなしになっていた私物を引き取りに行きまして。

私物と言っても、仕事のために自腹で買った書籍類が大半。机の引き出しやら横のキャビネットやらデスクの下やら、出てくる出てくる。段ボールに詰めたら3箱分になって驚きました。どこにあったの。

んで、段ボールを持ってエレベーターでえっちらおっちらこっちらとオフィスと車とを行き来していたら、なんだかビルの受付の人の視線を感じます。顔見知りのはずなんだけど、僕の常ならぬ機敏な動きに、機密情報を盗みにきた産業スパイの疑いを抱いたのかもしれない。

怪しくないよ、という気持ちを込めて「オラ(やあ)！」、と挨拶をしても、なぜか返事してくれない。でも入館ゲートを開けてくれたり、エレベーターを呼んでくれたりする。過去3年そんなことしてくれなかったのに、今日はやけに親切。でも、ありがとう、とお礼を言おうとすると、サッと視線を外す。

そこまできて、ああ、この人は僕が今日クビを宣告されて私物を持ってオフィスを追い出されていると考えてるんだな、だから優しくしてくれるんだな、でも個人的に関わり合いになりたくないんだな、と理解しました。

全ての段ボールを運び終え、机の引き出しの中身をごそっとリュックに詰め込んでエレベーターで降りると、エントランスホールの彼はスッ、とゲートを開けてくれました。会社の入館カードも返却したと思ったんでしょう。僕が、「これで全部だよ」と笑いかけると、またスッと視線を逸らされました。なんだかホントにクビになった気持ちになってきた。

が、幸いなことに僕はまだクビではない。よって、また明日か明後日にオフィスに行きます。どんな顔して受付を通ったらいいのん。復讐のため襲撃しにやってきたと誤解されたりして。

今日はシチズンのシリーズ8 804

遠近法の関係で段ボールのサイズ感が伝わらないんだけど、両手でなんとか抱えられる大きさ。筋肉痛になった。


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