モーリスラクロアと言えばアイコン。いつの間にかすっかり定番商品になってますね。人気の火付け役となった機械式モデルは実機をレビューされているブログも複数見かけます。が、クオーツの方は随分とシーンとしておられる。

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僕はクオーツ42mmを買いましたよ!

でもね、世の中にはいらっしゃると思うんですよね。モーリスラクロアのアイコンクオーツってどうなの?欲しいんだけど人気ないのかしら、クオーツ買うなんて情弱ねえと舐められるんじゃないかしら、と不安に駆られた悩めるボーイズアンドガールズが。そういう時に助けてくれるのがインターネットじゃないのかい。暗い部屋でひとり悩む僕らに手を差し伸べてくれた、それがインターネットだったんじゃないのかい!

でも誰もアイコンクオーツをレビューしてない。であれば仕方あるまい、わたしがいっちょ一肌脱ぎましょう。わたくしめが!

92個目 モーリスラクロア アイコンデイト クオーツ AI1008-SS001-130-1

とは言っても、わずか数日使っただけで「レビューしました(キリッ!)」とのたまうのは烏滸がましい。なので、以下はほぼファーストインプレッションと思ってお読みくださいな。

1. 着用感

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ワイシャツの袖口にはギリ収ま…らない!

当たり前ですけど、サイズはケース直径42mmでやっぱり大きい。想像通り。

ただ、厚みが抑えめなのと、ラグが無いケースデザインのため手首への収まりは悪くないです。

ワイシャツの袖口にも入りそうです。僕のワイシャツは通販で2000円くらいで購入したノンアイロン形状記憶の強さを優先したやつなので駄目でしたが、ちゃんと体格に合ったワイシャツであればいける気がします。

2. イバれる度

クオーツとは言え、定価10万円以上の腕時計ですもんね。僕にとっては高級腕時計のカテゴリに入ります。

なので、所謂ホームセンターウォッチとは一線を画した高級感をバッシーンと押し出して欲しいところ。そこのところ、どうなんだい?

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え、リューズが手の甲に食い込んでいる…当ててんのよ!

ポリッシュとサテンの組み合わせは立体感ある。角度が変わるとポリッシュ部分がキラキラと光を反射します。遠目でもオッ、なんか良さそう時計着けてる人がおる、となります。危険地では袖口に隠しましょう。

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たぶん日差しが強すぎて写真の色味がおかしいんですけど、インデックスとベゼルの爪の立体感にだけ注目くだされ。

インデックスとmロゴがアップライトになっているのも高級感ある。

旧型モデルはローマ数字インデックスが配置されていて、ダイヤル中央部は円形に囲まれて横線(ギョーシェ彫り?)になっています。このモデルの後に出たクオーツはダイヤル全面に横線が彫られていました。更に現行品はサンレイ仕上げに変わっています。僕は旧型の方が手が込んでいる感がわかりやすくて好みです。

インデックス周りはのっぺりしていて高級感あると言い難いんですけど、白文字盤にシルバーインデックスにしては視認性が良いです。

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透明感ある風防。

風防はサファイアガラス。まあ定価10万円なんだからそりゃそうだよね、という感じですけど。

ちなみにムーブメントはご存知の通りクオーツで、ステップ運針のもの。ステップ運針の時計って、カチ、ヨヨヨーン、と動いた後に揺れるものありますけど、こちら針の揺れはあんまり無い気がします。

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バックルにはmロゴに加えてモーリスラクロアと。凝ってます。

こちら革ベルト仕様ですが、Dバックルなのは嬉しい。Dバックルも凝っていて、開いたら装飾が施されていたのも手が込んでて嬉しい。


3. 実用性

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短所は言い換えれば長所になります。就職活動中の皆様、覚えておいてください。

白文字盤にシルバーのインデックスなんですけど、視認性が割と良い。針はボテッと洗練されていないような気もしますけど、太いから見やすい。

インデックスが置かれた外周はのっぺりしているんですけど、ダイヤルの装飾が邪魔をせずにスッと目に入ります。

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ライトセイバー…?

夜光が針に乗っているので、夜でもだいたいの時間はわかりますよ。

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しかしもうちょっとマシな場所で写真を撮らなかったのか。そういうとこだぞ!

リューズはねじ込み式で、裏蓋はおそらくスナップバック。革ベルト仕様だから水回りでの使用は想定していないはずですけど、防水10気圧は実用的ですな。

そういえば、クオーツのステップ運針の音はあんまり気になりませんでした。例えばスウォッチはカチカチやかましいですけど、それと比べると静か。どこのムーブメント載せているのかは記載見つからなかったんですけど、スイスメイドでござると文字盤に堂々と書いてるからETAかセリタですかね。

4. イマイチな点

金属ブレスやラバーベルトだとまた違うのかもしれませんが、Dバックルがとめにくい。結構ストレスです。

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わかりますか…

ぶかぶかにしていたらいいんですけど、ぴったり目に着用しようとすると、金具が干渉して定革にベルトの剣先が入らない。なんとか入れようとすると、バックルが外れてしまう。

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伝わっていますか…

おそらくDバックルの金具が長いのだと想像します。もうどうにもならなかったので、定革を無視して遊環にだけ留めるようにしました。若干もっこりするだけで使用に際して不都合はないですけど、ワイシャツのボタンを上まで全部留めたいきっちりした性格の方はイライラするので、やめといた方がいいです。

まあ、革ベルトがまだ硬いから、使い込んで柔らかくなったらマシになるのかもしれません。

5. 買うべき?

個人的には、2倍の価格差があるアイコンクオーツとアイコン機械式を並べてどっちにするの?と2択を迫るのはあんまり意味がないような気がしています。機械式が欲しいのに妥協してクオーツを選ぶと、後悔しますよ。

なので、ここは旧型クオーツ vs 現行品クオーツ vs アイコンタイド、の三つ巴で比較したいと思います。念のため、以下で旧型クオーツと呼んでいるのはわたしが購入した3針のモデルを指します。

(1)まずはお値段。

旧型モデルはモーリスラクロアのHPからは姿を消してますが、まだ新品は売っています。

例えばジャックロードさんでは税込6.7万円↓。

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メタルブレスと革ベルトの差が2000円…だと…!

モーリスラクロア全般にいえますけど、メタルブレス仕様でも値段がそんなに上がらないんですよね。旧型の新品を買うならメタルブレスをおすすめします。

対して、現行の3針クオーツのラインナップは、35mm、40mm。メーカー希望小売価格は11.5万円。
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モーリスラクロアさんのHPから。

ただ、楽天市場をざっと眺めてみた限り並行品が見当たらなくて、ほとんど定価そのままみたい。並行品が出てくるのはこれからってことなのかもしれませんけど、この円安だと定価と比べて大幅に割安というのは想像しにくい。

最後に、アイコンタイドは定価は10万円だからアイコンクオーツより1万円安いです。並行品が8万円台で売ってますね。

ちなみにジャックロードさんでは5.5万円でしたが売り切れて今はリクエスト受付中となっています。

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残念。


(2) サイズ

旧型は42mm。現行品は40mmと35mmの2種類のサイズ展開。アイコンタイドは40mm。

旧型はデカいんですけど、前述の通り真ん中に横線が彫られていて外周にローマ数字インデックスが配置されているので、実物を見てもダイヤルが間延びしている感じは受けませんでした。

でもまあ腕時計のサイズは結局のところ、みなさんの腕周りで決めるのが一番だと思います。僕は16cmの細腕なので、このアイコンのケース形状で金属ブレスであれば35mmでちょうど良いかもしれないなあー。


(3) ブレス

旧型はイージーチェンジャブルではありません。

対して、現行は全て金属ブレス仕様でイージーチェンジャブル機構になっているのはグッド。40mmにはタイドのラバーベルトが付けられるんじゃないかと想像します(互換性あるかは確認できませんでした)。ベルトを換えると腕時計の雰囲気がガラリと変わるのはみなさんご存知の通りなので、バリエーションが増えるのはいいことでしかない。

タイドもイージーチェンジャブル仕様です。

革ベルトの腕時計は、ベルト交換のハードルが低くていろいろ楽しめる、というのがアドバンテージだと個人的に思っています。が、アイコンはラグ形状を特殊にしたおかげでベルト交換が難しくなってしまった。特に革ベルトは着用頻度高いと消耗品になるので、基本的に純正にしか交換できないのはあまりおすすめしません。

それでも、金属ブレスでイージーチェンジャブル付きの現行アイコンクオーツに軍配があがります。複数ベルトを持って交換して使えば長持ちしますしね。きっとクオーツもイージーチェンジャブルに、という要望が多かったんでしょうな。

ただ、これはアイコン全般に言えますけど、ラグ形状が特殊な腕時計って、将来的に製造が終わってしまった後に困るんですよね。

(4) ケース素材

タイドは要するにプラスチックだから、どうなんでしょう。サステイナビリティに付加価値を感じたりモーリスラクロアの姿勢に共感する方以外は、同じ値段ならステンレススチール製を選ぶと思うんだけど。少なくとも僕はステンレススチールにします。ごめんよ!

(5) 結論

値段を横に置いて考えると、メインで使うのであれば現行クオーツだと思います。シーンを選ばずに着用できるサイズ感40mmであり、金属ブレス。更にイージーチェンジャブルでベルト交換が容易であること。

メインで使っている腕時計が他にある、あるいはたくさん持っていてローテーションで使うのであればお安い旧型クオーツで十分満足できると思います。メインじゃなければオーバーサイズ気味であっても小さ過ぎであっても、どっちもアクセントになるから良いんです。あと、現行文字盤のサンレイ仕上げより旧型の横線の方が僕は好みなんですよね。お金かかってそうだし。使用頻度が低ければイージーチェンジャブルもあんまり関係ないですしね。

アイコンタイドは、大人のG-Shock的な位置付けで遊びに行くときに使う用だと思いますので、そもそも用途が違うものでした。アイコンクオーツと並べて比べるべきじゃなかったと反省しています。


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