みなさんには聞こえますか。中古腕時計の相場下がってきている、という声が。僕らの心をくすぐる悪魔の囁きが。買うならいまのうちだぞ、という声が。僕らの自制心の鎖を外そうとするいやらしい囁き声が!

そんな上手い話があるわけない、と斜めに眺めていましたが、少なくともアイコン旧型クオーツ42mmの中古品は4万円台の販売や3万円台(後半ですけど)での落札を見かけるようになってきた気がする。とにかく何でもいいからアイコンが欲しいじゃ!、という方はそろそろ購入を検討してもいいかもしれません。

ただ、今から旧型アイコンクオーツ42mmを手に入れるに当たって認識しておかなければならないのは一点だけ。アイコン自動巻で装備されるようになった、工具いらずワンタッチでベルトを交換できるシステムこと、イージーチェンジャブル。現行品クオーツはイージーチェンジャブル対応になっていますが、旧型は対応していません。

つまり、他のアイコンユーザー達は、今日は雨が降りそうだから金属ブレスにしよう〜、今日はビーチでノマドのようにテレワークするからスポーティなラバーベルトにしよう〜、大事な会議だから黒い革ベルトで気合いを入れるぜ、等々TPOを考慮してベルトを交換することができる。さながらヤマトナデシコ7変化。僕はヤマトナデシコ7変化がなんだったのかよくわかっていないけれど。

対して、僕たち旧型アイコン42mmクオーツユーザーは一本しかないベルトをいつでもどんな場面でも大事に大事に使い続けるしかない。

僕には聞こえる。おんやあ〜イージーチェンジャブル仕様でないアイコンなんてアイコンと呼べるんですかあ〜、という声が。黒い革靴なのに茶色いベルトの腕時計ですかあ〜、という嘲りが。靴とベルトと時計と鞄の色を合わせるのは基本のきだと習いませんでしたかあ〜、僕らの心を抉る声が。つーかクオーツなんてスーパーコピーみたいなもんでしょ〜、という心ない声が。僕ら旧型アイコン42mmクオーツユーザーの劣等感を掻き立てる声が。

僕には見えるようだ。そうやってアイコンクオーツ42mmユーザーたちが、不安を煽られ、鼻っ柱を叩き折られ、自信を喪い、アイコン42mmクオーツを質屋に叩き売りに向かう姿が。その哀しい背中が。だからアイコン42mmクオーツは安いんだよね。ああ、なんてことだ…!

あれがいいかなこれがいいかなと時計雑誌のページをめくっていた手が止まったあの日。緊張にひりつく喉に声を絞って、試着させてくださいと店員に申し出た時、自分がひと皮むけた手応えがあった。これください、と言葉はひとりでに滑り出て、ああ登場人物か動き出すとはこういうことかと頷いたんだ。着けて帰ります、とアイコン42mmクオーツを載せてお店を出た時の腕元のずっしり感と足取りの軽さはいまでも鮮明に思い出せるよ。量販店からの帰り道はなんだか街灯も明るく感じて、でもヤンキーに目を付けられやしないかと袖を必死に伸ばしたんだ。この時計を身に付けることで日常が一味も二味も違ってくるんじゃないかと、柄にも無く明日の朝がやって来るのが待ち遠しかったんだ。

まあ、僕はネットオークションで税込4.1万円でアイコン42mmクオーツの中古品を購入したのでね、前述したポエムは一部表現に誇張が入っているかもしれません。

話が逸れましたが、要するに、アイコン42mmクオーツをあの頃の気持ちを維持しつつ自信を持って末長く使っていくためにはベルト交換できるのかを確認する必要があるのだ!

今日はモーリスラクロア アイコン クオーツ42mm

前置きが長くなりました。ということでベルトを外して形状を再確認しようと思いました。が、ここまで書いたところでもう寝る時間なことに気が付きました。僕もそろそろ眠たいのだよ。

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